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 「リベレスパーJ」の企画は、2016年4月から練り始めた。余りに時間が足りないという前年の苦い経験から、開始を早めることとなった。

 まず、唯一のゼミ生である宮本君が、入ゼミ前に作ってきた企画案を叩き台に検討が始まった。特に先輩ヒーロー『ユニベーターJ』との差別化が課題とされた。

 大学のヒーローとして順当に、ヒーローは大学生、と決まった。ここまでは先輩と同じだ。ただ『ユニベーターJ』は力を与えられる存在だったが、今回はもともと力を持っていることにしよう。ヒーローは大学生の超能力者と決まった。

 同時に検討されたのがテーマだ。『ユニベーターJ』の時はこれまでの善悪観念をひっくり返し、社会に革新を求める側をヒーローにしたが、今回はどうするか。「世界の平和」や「世界の革新」ではなく、もっと身近で大学に特化した存在にしよう。宮本君のアイディアから、テーマは「教育」に絞り込んだ。現代の大学は、実社会との乖離が指摘されている。敵は大学を忌み嫌い、滅ぼそうとしている。中でも世界の先進国のうち、学力が低下し、とりわけレヴェルの低い日本の大学に目をつけ、破壊することを目論んでいる。そして日本の大学生を洗脳し、大学を騒乱させ、破壊しようとするのだ。

​ 立ち向かうヒーローは、しかし大学を肯定する体制派にはしなかった。あくまでも学生目線から、未熟な若者を受け入れ、未来の可能性を広げる場として大学の価値を認め、それを守る存在にしよう。「大学の破壊を防ぎ、大学のあるべき姿を取り戻す」こと、そして何より、「大学生の奪われた未来を取り戻す」ことがヒーローの目的と決まった。

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メイキング

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