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世界

 

相次ぐ天災と感染症の蔓延が、人々の心を疲れさせていた時代。異生物「アストロン」の血を引く混血人類「ミクスド」と、純人類「ブラッド」の戦いが始まる。厳しい戦いの中で特に活躍したのが、ブラッド側の軍事組織「オーランド」だった。
「オーランド」は2人のヒーロー、ライシンとカルムによって率いられた精鋭組織であった。幼馴染だった2人は正反対の性格の持主だったが、厳しいライシンと優しいカルムのタッグは強力なリーダーシップを発揮し、「オーランド」は激しい戦いを潜り抜け、ブラッドの勝利に貢献してきた。だが彼らは時に非情な決断を下し、敵味方に多くの犠牲者も出していた。


しかし戦いの末、ブラッドの勝利を確実なものとしたライシンとカルムは、一人の若者・タギリに襲われる。タギリは「ミクスド戦争」で弾圧されたミクスドの生き残りであった。不意を突かれたカルムは重傷を負いながらも反撃し、タギリを手に掛ける。この事件は、共に歩んできた2人のその後を分かつことになった。
ライシンは、ミクスドとはいえ一民間人のタギリを無残にも手に掛けたカルムの振る舞いに疑問を持つ。また軍人の務めとして戦いに励んできたものの、ブラッドとミクスドに実際の差が無いことから「ミクスド戦争」自体に疑問を抱くようになっていた。ライシンは「オーランド」を離れ、若者たちを集めて新たな組織「リジェネイダーJ」を創設する。そして平和な世界を実現するための慈善活動を進めると共に、ミクスドとブラッドの差別問題に取り組み、両者が共生できる道を探り始めた。その一団の中には、幼いヒバナの姿もあった。ヒバナはタギリの弟であり、先の事件で家族を失ったばかりか、世界のヒーローを傷つけた極悪人の家族として世間のバッシングを受け、居場所をなくしていたのだった。そしてまた、ライシンの作戦によって父を失い、秘かに復讐を狙う幼いタチカゼも「リジェネイダーJ」に紛れ込んでいた。


一方カルムは、タギリに襲われたことで逆に自分がしてきたことを否定できなくなってしまう。そしてどれだけ自分が傷ついても信念のために戦い続けることを誓い、さらに強固な組織づくりを進めるため、実力ある若者たちを集めて新組織「ディストローグ」を結成、再びミクスド戦争を発生させる危険性があるとして、「リジェネイダーJ」の壊滅をたくらむ。その中には、ライシンの息子アビリティの姿もあった。ライシンが家庭を顧みなかったことで、アビリティは家族を失い、父への怒りに燃えていた。

用語説明

 

「アストロン」「ミクスド」「ブラッド」
宇宙から太古に飛来した異生物が「アストロン」である。人類と酷似しており、やがて人類に交じり、現在は純粋なアストロンは存在しない。記録も残されておらず、混血した者「ミクスド」本人たちにすら忘れ去られていた。しかしDNA解析が進んだことで特異な遺伝情報を持つ人類が確認され、あわせて地球到来時に乗ってきたと思われる宇宙船と宇宙服「ウラノス」が発掘されたことで、その存在が明らかとなった。
見た目や身体能力は純粋な人類「ブラッド」と差がない。しかし「ミクスド」はウラノスを装着すると様々な超能力を発揮し、また精神が狂暴化する例も確認されている。

「ミクスド戦争」
一部の「ミクスド」が純人類「ブラッド」から差別を受け始めたことで争いが始まり、やがて「ウラノス」を身に着けて強化狂暴化したミクスドが反乱を起こし、「ミクスド戦争」が始まった。ブラッドは圧倒され、多くの犠牲者が出た。
ブラッドは対ミクスド組織「オーランド」を結成してウラノスを研究し、ミクスドでなくとも装着できる強化スーツ「ガイア」を開発し、さらに戦闘能力を上げていった。これにより両者は何の差もないままお互いを差別し続け、戦闘は泥沼化することになるが、ライシンとカルムが率いる「オーランド」によってブラッド側の勝利に終わる。ただし「オーランド」には素性を隠したミクスドが相当数いたことも明らかになっている。

軍事組織「オーランド」
ミクスド戦争が始まったことでブラッド側が結成した少数精鋭の軍事組織。当初はウラノスを身に着けたミクスドの前に歯が立たなかったが、ウラノスを元にしたブラッド用強化スーツ「ガイア」を開発したことで戦力差が逆転し、バラバラに戦っていたミクスド側を組織力で圧倒していくことになる。
ライシンとカルムという強力な司令官によって率いられ、ミクスド戦争をブラッドの勝利で締めくくることになるが、激しい戦いによって敵味方共に大きな犠牲を払うことになった。また生き延びたミクスドから憎悪を向けられることになり、リーダーの一人だったカルムが襲われ重傷を負うというスキャンダラスな事件を引き起こし、汚点を残したまま解散することになった。
メンバーは遺伝子検査を行いブラッドであることが確認された者のみとされているが、ガイアの開発や初期の運用のため、結成当初の古参メンバーにはミクスドがいたと噂されている。古参メンバーはその後検査を受けることがなかったため、ブラッドのふりをしたミクスドが社会的地位を得るきっかけを作ることにもなった。

「ウラノス」「ガイア」
太古の昔、アストロンが星間飛行を行うために身にまとった宇宙服が「ウラノス」である。発掘品を元に分析、復元が行われた結果、装着者を守る高い防御力と共に、外敵を攻撃する戦闘力も持っていることが明らかになった。口部を覆うパーツ「マスク」を装着すると戦闘モードとなり、能力が向上する。しかし装着者が気を抜くと精神を侵食し、狂暴性を増してしまう危険性も孕んでいる。ただしウラノスの力を引き出せるのは、アストロンの血を引く混血人類「ミクスド」のみである。
ウラノスを元に開発された強化スーツが「ガイア」である。純人類「ブラッド」でも同等か、さらに上回る能力を出せる上、戦闘能力と凶暴性も引き出せるように開発されている。ガイアの登場により純人類ブラッドの大攻勢が始まり、「ミクスド戦争」はさらに悲惨なものとなってしまう。

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